暦と旅の案内人こよみすと
プロデューサーの藤野です。
「山椒は小粒でピリリと辛い。」
みなさんご存知、
身体は小さくても、役に立ったり気がきいたり、
優れていて侮れない という例えに使われることわざです。
そのことわざ通り、
山椒は小粒ですが料理に少し加えるだけで味を引き立てるので、
日本古来から親しまれ、
ゆずと並び日本料理の2大香辛料のひとつとされています。
時期によって、使われる部分や呼び名が変わるのも、
四季を大切にする日本人の「食」に深く関わってきたことの証とも言えます。
ゆずと並ぶ日本料理の2大香辛料
「山椒」は古くから、香辛料や薬用として使われてきました。
藤野も東京中央卸売市場「築地市場」で働いていた時に、先輩から
縄文遺跡の土器から「山椒」の果実が発見された!
という話を聞いた事を覚えています。
山椒(サンショウ)の若葉は、
食材としては「木の芽」と呼ばれています。
木の芽は緑が鮮やかで香りがよいため、
焼き物、煮物などの料理の彩りとして添えられ、
また吸い口として用いられます。
使う直前に手のひらに載せ、軽く数回叩いて
葉の細胞を潰すと、香りが一層増します。
特にタケノコとの相性は最高ですね。
また、木の芽を白味噌と和えた「木の芽味噌」は、
木の芽田楽や木の芽和えなどに用いられます。
雄株の花「花山椒」は、料理の彩りや佃煮などに使われます。
雌株になった果実「実山椒」は、茹でて佃煮にするほか、
ちりめんじゃこと混ぜて「ちりめん山椒」などにします。
広尾の和食の名店「あさの」さんも、
看板メニューに「ちりめん山椒ジャコご飯」を出しています。
熟した果実の皮を乾燥させて粉末にしたものが「粉山椒」です。
香味料として、ウナギの蒲焼の臭み消しや
七味唐辛子の材料として用いられます。
この果皮の部分が、調味料としてもっとも広く知られています。
「木の芽」と「花山椒」の旬は4~5月、「実山椒」の旬は6月。
熟した実を粉にした「粉山椒」が出てくるのは11月頃です。
産地としては和歌山、奈良、岐阜、群馬などが有名。
つまり!「山」で採れるものなのですよ。
また、山椒(サンショウ)の木は成長がゆっくりなのでとても固く、
すり鉢を使う際に用いる「すりこ木」として最上とされています。
先日、
高齢ゆえの健康上の理由で、
すでに「閉店」してしまったと噂に聞いていた
藤野の古巣伊香保温泉の、
ある小料理屋さんの女将さんから、
ここ数年来、季節を知らせる美味として
年に一度、楽しみにし続けてきた
手作りの「山椒の葉の塩漬け」が届いたのです!
小さなメモの切れ端には
「大変な時期ですが、山の便りを気休めにしてくだされば」と。
なんだか、深い安堵感と、懐かしさと・・・
小粒でピリリと辛い「山椒」が、
藤野を泣かせてくれました。。。 m(_ _)m
ああ〜〜〜、
伊香保温泉行きたい!
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